ノロウイルスによる食中毒増加中

最近、飲食店の食事や弁当によるノロウイルスの集団食中毒が増えています。厚労省ノロウイルスに関するQ&Aを紹介します。

▼どのぐらい発生している? 

ノロウイルス食中毒は、一年を通して発生していますが、とくに冬季に流行します。令和5年食中毒集計では、件数全体の16.0%(163件)、患者数は46.6%(5,502名)となっています。

▼どうやって感染する?

次の感染様式が考えられています。(1)患者の便や吐物から人の手を介して感染する、(2)食品製造の従事者や飲食店・家庭で調理をする人が感染しており、その人を介して汚染された食品を食べる、(3)汚染された二枚貝を十分に加熱調理しないで食べる、(4)家庭や共同生活施設で人から人へ飛沫感染する、(5)汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で飲む。このような多彩な感染経路がノロウイルスの制御を困難なものにしています。とくに近年(2)が増えています。また、感染しても症状がごく軽い人もいますが、その人からも感染します。

▼症状は?

潜伏期間は24~48時間。吐き気、嘔吐、下痢、腹痛があり、発熱は軽度です。ほとんどは軽症で回復します。吐物を誤って気道に詰まらせないよう注意が必要です。

▼診断は?

通常、症状や周囲の感染状況から総合的に診断します。抗原検査は、感染していても陰性となることもあり、感染していないことを確かめることはできません。

▼治療法は?

対症療法が行われます。乳幼児や高齢者は、脱水症状を起こさないように、水分と栄養の補給を充分に行いましょう。下痢止め薬は、病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいでしょう。

▼予防対策は?

患者の便や吐物には大量のウイルスが排出されるので、(1)食事の前やトイレの後は必ず手を洗う、(2)便や吐物を適切に処理して感染を広げないようにする、(3)胃腸炎症状がある人は食品を扱う作業をしない、(4)子どもや高齢者は食品を中心部までしっかり加熱して食べる、(5)調理器具は使用後に洗浄・殺菌する。

かきざき小児科アレルギー科クリニック

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