百日咳とは?

百日咳が流行中です。全国の今年の患者数は、4月6日5,652人、4月13日7,084人となり、すでに昨年1年間の4,052人を超えています。1週間当たりでは、4月第1週722人、4月第2週1,222人と過去最多です。青森県の患者数は、2月まで37人でしたが、3月から増加し4月20日で168人です。八戸市・三八地方が104人(62%)と最多で、弘前市・中南地方は13人(7.7%)です。

百日咳は、特有の咳発作が持続する細菌感染症です。乳児早期に感染すると重症化しやすく、特に生後6カ月以下では死に至る危険性が高く、致命率は全年齢児で0.2%、6カ月未満児で0.6%です。そのため、百日咳ワクチンを含む五種混合ワクチンを生後2カ月になったら、できるだけ早めに接種することが大切です。ただし、ワクチンの免疫効果は、時間経過とともに減弱します。2023年調査の百日咳抗体保有率は、7歳以上では50%以下に低下するため、ワクチン接種者も感染することがあります。

症状の経過は3期に分けられます。最初の約2週間はカタル期で、かぜ症状で始まり、次第に咳が激しくなります。その後、痙咳期になり、特有の咳発作をくり返します。咳発作が2~3週間持続した後回復期になります。全経過は約2~3カ月です。

成人は咳が長期に持続しますが、典型的な発作性の咳はなく回復します。症状が軽いため見のがされやすいですが、菌を排出するため、ワクチンを接種していない新生児や乳児にうつさないように注意が必要です。

治療として用いられる抗菌薬は特にカタル期で有効ですが、抗菌薬が効かない耐性菌が増えていることが問題になっています。

かきざき小児科アレルギー科クリニック

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