マイコプラズマ肺炎について

 昨年11月からマイコプラズマ肺炎にかかる人が続いています。日本マイコプラズマ学会など関連する5学会より、その対策に関する提言が出ています。

▼マイコプラズマ肺炎とは?

 肺炎マイコプラズマという細菌による感染症です。一般的な肺炎とは異なり、5歳未満では少なく学童期から成人にみられ、高齢者には少ない感染症です。ほとんどが軽症で、自然に治ることもありますが、ごくまれに重症化することがあります。

▼症状は?

 発熱・倦怠感・頭痛・咽頭痛に続いて、咳が出てきます。病初期は痰が少ないのが特徴で、熱が下がった後も長く続くことがあります。ただし、これらの症状だけから診断することは困難です。まれに、中耳炎、皮疹、心筋炎、ギランバレー症候群など肺以外の病気を合併することもあります。

▼診断方法は?

 細菌培養検査や血清抗体検査は結果が出るまで時間を要することや迅速抗原検査は感度が低いなどから、胸部X線検査に加えて、年齢・症状・聴診所見・血液白血球数などにより総合的に診断します。

▼流行のしかたは?

 咳やくしゃみなどから感染が拡がる飛沫感染が主体です。潜伏期間は2~3週間と長いため、どこから感染したかわからないことが多いです。しばしば家族内や職場内などの小集団で拡がりますが、インフルエンザのように短期間で地域での大規模な感染の拡大はまれです。

▼現在の流行は?

 新型コロナやインフルエンザと同様に5類感染症であり、全国の基幹病院から毎週患者数が報告されています。青森県内6カ所の基幹病院の報告では、10月14日~20日の週で29人(1基幹病院当たり4.8人)です。現在のような流行期では、風邪症状や咳が続く、周囲に同様の症状の方がいるという場合は、医療機関を受診して下さい。

▼出席停止期間は?

 学校保健安全法で第三種学校伝染病に指定されており、症状が強い急性期は出席停止になります。ただし、明確な出席停止期間は定められておらず、症状が軽快したら登校可能です。

かきざき小児科アレルギー科クリニック

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